都市ガスとプロパンガスについて
こんにちは。
以前、自己紹介でガス会社で働いていたというお話をしたと思うのですが、
今回は、自分の体験を踏まえて都市ガスとプロパンガスの特徴を書いていこうと思います。
退職してから、少し時間が経ってしまったので、必ずしも正しい情報ではないかもしれませんので、その点はご承知ください。
〇そもそも何が違うの?
新卒で都市ガスの会社に入社したのですが、あまりその違いについては、僕も知りませんでした。
そもそも、東京や大阪に住んでいらっしゃる方は、家の周りにボンベがあるという光景も見慣れないのではないでしょうか?
僕が、ご訪問したお客様の中にも、特に都会から引っ越してきた方は、ガスに種類があることを知らない方がいらっしゃいました。
大雑把ではありますが、両者には以下のような違いがあります。
・比重
・料金体系
・供給方法
ほかにも、ガスの持つ熱量や防災体制などさまざまな違いがありますが、
とりあえずこの3つについて説明します
〇比重について
まず、都市ガスとプロパンガスは、主として構成されている成分が異なっています。
都市ガス:メタン
プロパンガス:プロパン、ブタン
空気の比重を1としたとき、
メタン=0.55
プロパン=1.56
ブタン=2.09
都市ガスは、ほとんどメタンで構成されているガスですので、空気より軽いため、ガスが漏れた際、上に上がっていきます。
一方、プロパンガスは、プロパンで95%以上が構成されており、残りがブタンであるといわれていますので、空気より重く、床や地面などに滞留します。
どちらも、もしガス漏れがあった場合は、窓を開けるなどして外に出してあげる必要があるのですが、都市ガスの場合、漏れたガスが上昇する過程でガスの臭いに気づきやすくはなっています。
しかし、プロパンガスもガス漏れ報知機などは、床の近くに設置してあるため、報知器がある場所では、どちらも安全性には大差がないと思います。
〇料金体系
都市ガスからプロパンガスに代わった方が、一番驚かれるのはその料金の違いだと思います。一般的に高いといわれるプロパンガスですが、実際のところはどうなんでしょうか。
個人的には、ごく一部の例を除いては、プロパンガスの方が高いと言って差し支えないでしょう。これは、プロパンガス会社が悪徳というわけではなく、供給方法や事業規模が影響しています。供給方法については、後述いたしますが、両者の料金体系には次のような違いがあります。
都市ガス:料金設定に、経済産業省の許可が必要。
プロパンガス:自由に料金設定可能。
都市ガスは、2017年にガス小売全面自由化が始まるまで、各都市ガス会社がエリアごとに地域を担当するように決められており、東京近辺であれば「東京ガス」、大阪であれば「大阪ガス」など、家庭用の都市ガスに関しては、実質的に独占状態でした。
そのため、価格設定については、著しく高い価格を設定できないように、経済産業省の許可を通った料金体系でないといけない決まりになっています。
一方、プロパンガスに関しては、そのような決まりはありません。ですので、法外的に高い料金もしくは、安い料金で契約を結ぶことが可能となっております。しかし、一般的なプロパンガス会社であれば、HPなどに基本的な料金体系を記載しており、その料金体系と大きく異なった契約を強制してくることはないとは思います。
しかし、中にはとんでもなく高い料金を要求してくる会社もありますので、契約をする場合は十分注意してください。
〇供給方法
たぶん供給方法については、多くの方が知っていると思いますが、一応説明します。
都市ガス:導管でガスの生産基地から供給
プロパンガス:敷地内のボンベから供給(まれに、導管で供給するところもある)
簡単に言うと、都市ガスはガスを貯蔵する大本の施設があり、そこからガス管で直接供給されています。実際には、大本の施設から各家庭の間には、ガスの供給量を調整するタンク(メロンのようなタンク)や、ガスの圧力を調整する設備などを通していますが、イメージとしては、すべてが一本でつながっているような形です。運搬コストはないのですが、ガス管を敷設するコストがかかります。
プロパンガスの場合、各家庭にあるボンベ(釣り鐘型)からガスが供給されています。まれに、団地の一角に大きなタンクを設置し、そこから都市ガスと同じように供給する方式もあります。しかし、基本的には、ガスが減ってきたら、ボンベを運んできて、交換するという方式になります。ですので、運搬コストがかかるのが特徴です。
〇どっちが安全なの?
この質問は、お客様には必ず聞かれた質問です。
結論から言うと、ご家庭レベルではほとんど変わらないといっていいと思います。
現在、どちらのガスも、マイコンメーターというガスメーターが、一定量、一定時間のガス漏れがある場合、ガスの供給を遮断するようになっています。
ですので、大きな漏れがあった場合は、どちらも安全といえるでしょう。
一方、路上などの話は別です、路上の漏れの場合、ガス漏れを感知し止めるメーター役割を持つ装置がないため、ガスが漏れても、土の中に溜まってしまいます。
もちろん、とてつもなく大きな漏れの場合は、ガス会社がガスの圧力の低下を検知して、止めると思います。また、おそらく臭気でガス漏れが見つかると思います。
多少の漏れの場合は、土の中から空気中にガスが逃げて、ガスがたまらず。また事故になるほどの漏れになる前に、会社もしくは通行人などが気づき大事にならない場合がほとんどです。
特に今の時代は、各ガス会社も事故に関しては、かなり神経を使っていますので、よっぽどのことがない限りは、まず事故は起こらないと思います。
ですので、もし安全性の面で、どちらのガスを使おうか迷っている方がいらっしゃったら、使いたい方を使われるのがおすすめです。
〇結局どっちが良いの?
個人的には、都市ガスのほうをおすすめしたいですが、
結局は料金が安いガス会社を選んだほうが良いと思います。
ただ、プロパンガスの場合は、気づかずに値上げをされる会社も中にはありますので、
契約時に、覚書を締結したり、検針票(領収書)を毎月確認し、値上げがないか確認した方が確実だと思います。
実は、まだまだ比較するための情報や、
地震の時にどちらが良いかなどかけていないところもあるのですが、
また別の機会で都市ガス・プロパンに関するよく出てくる質問など、とともに書いていきたいと思います。
記事の内容に関しては、自身が勤めていた経験から書いているものなので、ガスの契約などを考える際は、ガス会社の方に必ず相談してください。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。